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インサイド:就活するメダリスト 競泳・松田丈志の苦悩・3・4

   

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先日も紹介しました「就活するメダリスト 競泳・松田丈志の苦悩」の続きが掲載されています。

・「インサイド:就活するメダリスト 競泳・松田丈志の苦悩/3 - 毎日jp(毎日新聞)

 日本で競泳レースを仕事として生きる「プロ選手」は北島康介(27)だけだ。アテネ五輪で男子平泳ぎ2冠(百メートル、二百メートル)。翌05年から日本コカ・コーラと所属契約を結ぶ。08年北京五輪でも連続2冠の偉業を達成し、プロの名に恥じない活躍を見せている。

 北島を育てた平井伯昌コーチ(47)=東京スイミングセンター=は、「プロとして生きていけるか見極めるため、周到に準備した」と明かす。北島が一躍脚光を浴びたのはアテネ前年の世界選手権(バルセロナ)。百メートル、二百メートルともに当時の世界記録で優勝した。

 この時期、平井コーチは北島がテレビコマーシャルに出演した場合の試算を行っている。当時の北島では1本1000万~1500万円で、00年シドニー五輪で女子マラソン金メダルに輝いていた高橋尚子さん(38)は5000万円が相場と聞かされた。「派生する税金を計算したりして、まだ早いと判断した」と振り返る。

 加えて、競泳選手は野球、サッカーなどに比べ、企業が社名をアピールする露出効果は極めて薄い。身に着ける物といえば水着、キャップのみ。それも一瞬で終わるレース時の大半は水中に隠れてしまう。メダリストという「ブランド」を売り物にできる選手は、ごく一部だ。ほかの競技以上にスポンサーへの「見返り」の手立てを考える必要はある。松田もその厳しさは覚悟している。

・「インサイド:就活するメダリスト 競泳・松田丈志の苦悩/4 - 毎日jp(毎日新聞)

 選手支援が企業任せでは景気次第で松田のような「浪人生」は避けられない。では、競技団体から個人選手に手をさし伸べることはできないか。北京五輪のフェンシング男子フルーレ個人で銀メダルを獲得した太田雄貴(24)の例がある。日本フェンシング協会は五輪後の支援企業探しへ積極的にかかわり、森永製菓(東京都港区)の社員として活動を続ける道が開けた。

 だが、その高い普及度が必ずしもトップ選手のプラスになっていない。連盟の成り立ちには、1964年の東京五輪を機に根付いたスイミングクラブの存在は欠かせない。クラブ単位で成り立つ競泳界の構造上、1人の選手のために連盟が動きにくいのが現状だ。実際は水連幹部の何人かが個人的に企業へ働きかけたこともあるが、日本水連の泉正文専務理事(61)は、松田について「大切な人材だが、所属の問題まで水連が面倒を見られない」との立場だ。

 一方で、危機感を覚えた日本オリンピック委員会(JOC)で、選手の雇用支援へ新たな取り組みが動き始めてもいる。JOCのゴールドプラン委員会(委員長=田嶋幸三・日本サッカー協会専務理事)が手掛ける「ワン・カンパニー、ワン・アスリート」構想。この計画が軌道に乗るかは、松田のような選手にとっても大きな意味を持つ。