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抵抗減、推進増!日米融合泳法/競泳・北島康介 - 秘技解剖〜五輪メダル候補に迫る〜

   

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「抵抗減、推進増!日米融合泳法/競泳・北島康介」という記事が掲載されています。


 つまり米国でやっていたのは、自転車を1回1回、思い切りよくこいで、そのつどブレーキをかけるようなものだ。1ストロークごとのトップスピードは上がる半面、減速にもつながる。エネルギー効率から言えば、燃費の悪い泳ぎ方だ。だが北島は水面に対して、体をフラットに保つ技術に秀でており、水流の乱れが起こりにくい。車に例えるなら、ウイングを使ってダウンフォース(下への力)を利かせた「F1マシン」のようだ。蹴り足が下がらず、水平に出せることで、大きな推進力につなげている。

 これには北島の身体的な特長が生かされる。平泳ぎは唯一、4泳法の中でキックを下に打たず、真後ろに蹴る。ひざを曲げ、床の反発力を生かして跳び上がる垂直跳びの原理だ。北島を指導するJISSトレーナー小泉圭介氏が説明する。

 小泉氏 ほかとは格段にジャンプ力が違う。ふくらはぎがギュッと上がって、下が細い。大半の選手がボテッと大根のようだけど、北島はNBA選手のようなふくらはぎをしている。

 つまり強靱(きょうじん)な瞬発力が「浅蹴り」を可能にしていた。

 ただ、キックが進化の理由ではない。体に負荷をかけてガンガン泳ぐ米国式練習法で、上半身が強くなったのも一因だ。小泉氏は「足をきかせるためにはプル(手のかき)が強くなければいけない」。そして北京までとは違い、今やストローク数へのこだわりはない。「推進力があれば(ストロークが)増えたって気にしない。それよりプルとキックのタイミングが大事」(小泉氏)。そこは感覚がすべて頼りだ。

 北島の比類なき経験値が、抵抗力と推進力という「二律背反」する力をうまく融合させた。だからこそ、平井コーチは「達人の域」と称賛する。ロンドンで、失った世界記録を取り戻せるのか-。そのカギは、北島自身が握っている。