競泳、求む「気概ある選手」 パリ五輪へ陣容強化めざす

 
今年6月にブダペストで開催された競泳の世界選手権。東京五輪後、初めての主要国際大会に臨むにあたり日本代表チームは「『金』を含む複数メダル獲得」「決勝進出率60%」「自己ベスト更新率30%」という3つの目標を立てていた。

メダル数や決勝進出率は相手の調子にも左右される。だが、意気込んで臨んだ舞台で自己ベストを更新できたのは男子100メートルバタフライで銀メダルを獲得した水沼尚輝(新潟医療福祉大職)のみで、率にすれば3%。目標の30%にはほど遠い結果だった。

 
「世界全体で見ても10代から21、22歳くらいまでの選手が主力になっていた」というのが梅原の大会総評。世界ではパリ五輪、さらには28年ロサンゼルス五輪の主役を張るであろう新星が次々と登場している。日本でも9月にかけて開かれた世界ジュニア選手権で3冠に輝いた成田実生(15、金町SC)ら若い芽が出始めているものの、シニアの国際経験という点では出遅れた。

 
結果そのものに対してではなく、競泳ニッポンが上向きの未来図を描けていないことに危機感を隠さない。

 
国際水泳連盟(FINA)が定めるパリ五輪の参加標準記録(Olympic Qualifying Time=OQT)は、リレーを除く男女計28種目のうち20種目で東京五輪よりも上がった。五輪に選手を派遣するハードルがそもそも高くなっている。

3月の代表選考会のタイムを当てはめた場合、OQTをクリアできているのは15種目(延べ24人)にすぎない。

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