金メダルへのコーチング:五輪2冠の大橋悠依が実は直前合宿で「もう泳ぎたくない」 コーチが明かす

2021/8/30:コーチのエッセー「金メダルへのコーチング」が更新され「五輪2冠のが実は直前合宿で「もう泳ぎたくない」 コーチが明かす 」が掲載されています。

 長野県東御市の準高地での直前合宿でなかなか調子が上がらず、「こんな調子では一番の目標にしてきたオリンピックでメダルも取れない。もう泳ぎたくない。東京に帰る」と訴えてきました。五輪の競泳が始まる3週間前のことです。

 大橋と私の間に衝突があったという記事が書かれましたが、大橋が東洋大に入ってから7年間で何度も衝突があったのはその通りです。本音をぶつけあったからこそ、ここまで来られたと思います。問題があってもそのままにしたり、解決しなきゃいけないことをめんどくさいからといって目をつむっていたりすれば、衝突は起こりません。

 大橋は壁に寄りかかって、青い顔をしていました。「おい、悠依、大也の結果聞いたか」と話しかけると、「先生、怖いです、怖いです」と言うのです。いつも通りに泳げば決勝進出は間違いありません。もう一度、泳ぎ方を確認して、気持ちを落ち着かせました。レース前の招集所まで一緒に行きましたが、そこでも「怖い、怖い」と。私は「心配すんな、順位とかそんなの気にするな」と話し、最後はハグをして送り出しました。

 

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